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minami

安眠棒


朝から初めての人間ドック。検診センターの設備が綺麗であればあるほど、みんな同じ作務衣で座っている光景がディストピアめいて見える。


マンモグラフィ……激痛だった。「お胸を平たくつぶしていきます」「つぶせばつぶすほど、病気が見つかりやすいです」と言われる。機械に挟まれるのは痛いけれど、なんとか機械にちょうどよく挟ませようとめちゃくちゃ頑張ってくれている技師さんが妊婦で、しかももうかなりお腹が大きいのだった。私の胸を平たく潰すために膝を曲げて上半身を反らせた無理な姿勢をしている。痛いとか言ったら申し訳ない。言ったけど。

部屋を出るときに「大変なお仕事ですね……」と言ったら「慣れてますから」とのことだった。


胃カメラも怖かった……一番つらかったのは、待合室で前の人のうめき声を聞いている時間だった。2021年でもっとも怯えた。

胃の中が見えるのがの楽しみだったけれど、胃以前に通り道のいろんな突起がおそろしかった。自分の中なのに。飲み込みたくなくても飲み込んじゃうし、それをするとオエッとなってしまう。胃を膨らませられるのが気持ち悪かった。声の小さい医師が「力を抜くことに集中してください」と言った。むずいのよ。でもそれって真理だなとか思った。力を抜くことに集中して生きてみたい。手が勝手に震える。終わった後、医師が早く立ち去ってほしそうに「何も説明することがないです」と言った。


帰宅して疲れて2時間寝た。畑が雨でぜんぶだめになる夢を見た。水たまりで溺れた。


もう今日はへろへろだけど、なんと週明け締め切りの原稿が4本ある。ほほー。

文庫版の解説、という初めての恐れ多いお仕事もあり、どう考えてもこれが精神的にハードルが高い。どんなに考察しても足りないように感じる。書き直しても書き直しても不安。でも楽しい。


明日の自分に期待! まだ胃カメラの余韻がある。





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